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朝倉 伸幸
プラズマ・核融合学会誌, 80(3), p.190 - 200, 2004/03
現在のトカマク装置の異なるダイバータ形状や粒子排気方式で、共通に理解されてきたダイバータとスクレイプオフ層におけるプラズマ物理現象について説明する。ダイバータ板の上流部での分布を詳細に測定できる計測器の開発、及びシミュレーションコードの改良によって、ダイバータとスクレイプオフ層の物理研究は最近著しく進展した。この中で4つのトピックス:(1)ダイバータ板上流における熱・粒子輸送,(2)バースト的にダイバータへ輸送される熱流及び粒子流,(3)スクレイプオフ層でのプラズマ流,(4)スクレイプオフ層でのプラズマ拡散、に関する最新の研究成果と今後の物理研究課題について解説する。
清水 勝宏; 滝塚 知典
プラズマ・核融合学会誌, 80(3), p.183 - 189, 2004/03
小特集「周辺プラズマ研究の最近の進展」の中の第2章として、最近の研究を理解するのに必要な概念について解説する。まず、ダイバータの視点からトカマク実験の変遷を概説する。次に、スクレイプオフ層での粒子,熱輸送について説明し、上流とダイバータ板でのプラズマパラメータが簡単に評価できる「2点ダイバータモデル」について解説する。このモデルをITERに適用して、ダイバータ板への熱負荷を評価する。ダイバータ物理の重要な概念として、リサイクリング,遠隔放射冷却,非接触ダイバータプラズマ,MARFEについても説明する。
杉江 達夫; 波多江 仰紀; 小出 芳彦; 藤田 隆明; 草間 義紀; 西谷 健夫; 諫山 明彦; 佐藤 正泰; 篠原 孝司; 朝倉 伸幸; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.482 - 511, 2002/09
被引用回数:6 パーセンタイル:3.03(Nuclear Science & Technology)JT-60Uの計測診断システムは、約50の計測装置から構成されている。近年、プラズマパラメータの半径方向の分布計測が精度よく行なわれるようになった結果、プラズマの内部構造が明らかになった。また、ミリ波反射計/電子サイクロトロン放射計測により、電子密度/電子温度揺動の測定が行なわれ、プラズマ閉じ込めに関する理解が進展した。さらに、電子温度,中性子発生率,放射パワー,電子温度勾配等の実時間制御実験が、関係する計測装置のデータを利用して行なわれた。これらの計測,及び実時間制御を駆使することにより、高性能プラズマを実現することができた。次期核融合実験炉用計測装置としては、炭酸ガスレーザ干渉計/偏光計,及び協同トムソン散乱計測装置を開発している。
永島 圭介
JAERI-Research 95-052, 14 Pages, 1995/07
ダイバータ及びスクレイプオフ領域のプラズマパラメータを評価するために簡易な2点モデルを開発した。このモデルの特長は、プラズマパラメータだけでなく、リサイクリング率や粒子増倍率といった中性粒子パラメータについても、詳細な数値計算なしに評価できることである。このモデルを定常炉心試験装置(JT-60SU)のダイバータ設計に適用して、ガイドラインとなる設計値を決定した。定常放電において充分なヘリウム灰排気を実現し、かつ、低温高密度ダイバータプラズマを得るためには、ダイバータへの全粒子束の0.5%を排気し、主プラズマ側へ逆流する中性粒子束を2%以下にする必要があることを明らかにした。
中島 雅*; 高谷 泉*; 秋山 武司*; 北村 晃*; 矢野 淑郎*; 仙石 盛夫; 大塚 英男; 前田 彦祐
JAERI-M 91-048, 57 Pages, 1991/03
部分的にカーボン材が用いられた、ステンレス(SS,304)壁を持つJFT-2Mのスクレープオフ層中で水素同位体(H,D)の輸送に関する研究を加速器支援下の捕集プローブ法で行った。テイラー放電洗浄中にSiプローブに吸蔵された水素あるいは重水素粒子は、後続のプラズマ放電(重水素)によりリサイクルされプラズマ境界附近に現れることが明らかになった。次に炭素プローブへの照射実験では、水素同位体のサンプル内吸蔵は、その表面処理に依存すること、放電洗浄中に吸蔵された水素は続く重水素放電により一部重水素と置換されることが明らかにされた。
上田 憲照*; 笠井 雅夫*; 一木 繁久*; 藤沢 登; 杉原 正芳; 山本 新; 溝口 忠憲*; 阿部 充志*; 岡崎 隆司*; 岡野 邦彦*; et al.
JAERI-M 87-119, 19 Pages, 1987/08
エッジプラズマの挙動を2次元流体モデルで表現し、さらに中性粒子挙動についてはMonte-carlo法で解くコードを用い、FERのダイバータの予備解析を実施した結果、エネルギや粒子フラックス等の設計に不可欠の基本データを得た。
吉田 英俊; 岸本 浩; 田村 早苗
Japanese Journal of Applied Physics, 21(7), p.1068 - 1074, 1982/00
被引用回数:1 パーセンタイル:12.39(Physics, Applied)非軸対称な磁場揺動による磁力線の乱れ(エルゴード的挙動)について、ダイバータ・トカマクであるJT-60に注目して数値的に検討した。エントロピーの概念に基づく量を導入し、それが磁力線のエルゴード的挙動を定量的に特徴づけるとともに、セパラトリックス面の近傍に拡がるエルゴディック層の幅およびメトリック・エントロピーに深く関連することを示した。
吉田 英俊; 岸本 浩; 山本 新; 仙石 盛夫; 安積 正史; 滝塚 知典; 二宮 博正; 田村 早苗
JAERI-M 9789, 28 Pages, 1981/11
トロイダル・リップル磁場やポロイダル磁場コイルの据付誤差によるエラー磁場などの非軸対称な磁気揺動の影響下でのJT-60のダイバータ配位の磁気構造を数値的に検討した。これらの磁気揺動により、セパラトリックス近傍にエルゴディック層が形成され、それらはスクレープオフ層を拡げるとともに、境界プラズマから粒子を磁力線に沿って流出させる可能性について論じた。
小田島 和男; 木村 晴行; 前田 彦祐; 大麻 和美
Japanese Journal of Applied Physics, 17(7), p.1281 - 1282, 1978/07
被引用回数:8トカマクの不純物制御の研究では周辺プラズマのパラメータを知ることが重要である。JFT-2aにおいてはその周辺プラズマのパラメータを種々のプローブを用いて測定し、比例則を求めている。カツマタプローブは磁場に対して直角方向のイオン温度を測定するプローブであるが、プラズマの基礎実験つまりQ-Machineやヘリウムの放電プラズマ中ではその有効性がためされているが、トカマクの周辺プラズマのように高温、高密度、高磁場中ではまだ実証されていない。本論文ではそのようなトカマク周辺プラズマにおいて、カツマタプローブを用い以下の事を示した。(1)カツマタプローブの有効性をファラディーカップとのクロスチェックにより示した。(2)そのようにして得られた周辺プラズマのイオン温度は等方的であった。(3)主プラズマの中心のイオン温度と周辺プラズマのイオン温度は比例していて、その比例係数は「5」になる。